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カマキリは色んな場所に産卵します。植物の幹や枝葉、建物の壁、人工的な構造物、果ては地面の石の裏など、様々な環境で卵嚢を見つけることができます。カマキリは種ごとに産卵場所の選好性があり、あらゆる場所に産卵する種から特定の場所にしか産卵しないような種まで、その選好性の幅は様々です。卵嚢探しに慣れてくると、行く先々で「ここには〇〇カマキリの卵嚢がありそうだな」と予測を立ててから探してみると面白いかも知れません。カマキリの卵嚢は種によって形が異なっており、一見して多くの種が容易にできる一方で、中には種の判別が難しいものもあります。卵嚢による種の同定の参考になる資料は、こちらのウェブサイトで閲覧できます。「ひょうごのかまきり」のPDFファイルの28ページから、あるいは「本州・四国・九州のカマキリ図鑑」のPDFファイルの19ページ目をご参照下さい。とはいえ、卵嚢の形態には元々多少の個体差があり、風雨にさらされるなどして変化もします。同定ができない場合は、不明種として扱っていただいて結構です。参考までに、上図の卵嚢は左からオオカマキリ、ムネアカハラビロカマキリ、ハラビロカマキリです。

卵嚢を探そう
1. 卵嚢の探索

卵嚢の調査1

成虫が見られなくなる冬から春にかけても、卵嚢を見つければカマキリの生息を知ることができます。特に冬は、草が枯れたり樹が落葉することによって卵嚢が見つけ易くなるため、探すには絶好の時期です。野山を散策するついでに、ぜひカマキリの卵嚢を探してみて下さい。

カマキリ分布調査ではカマキリの成虫と幼虫だけでなく、卵嚢も調査対象としています。野外で卵嚢を見つけましたら、お気軽に調査に参加していただければ幸いです。

野外では、秋に産卵されたばかりで内部に生きた卵を含む「新しい卵嚢」と、1世代あるいはそれよりも前(1年以上前)に産卵・孵化を経て、中身が空っぽの「古い卵嚢」の両方が見られます。古い卵嚢は、カマキリの幼虫が孵化する孵化孔の付近が毛羽立っていたり、ぽっかりと穴が開いていたりします。また、卵嚢全体も黒っぽく変色したり、極端に色褪せたりしています。カマキリ分布調査では、新しい卵嚢のみを対象としています。卵嚢の新旧を容易に判別できる方は、新しい卵嚢のみを画像に収めてツイートやメール送信によってご提供いただければ幸いです。新旧の判別に自信が無い場合は、特に気になさらず画像に収め、同様にご提供いただいても結構です。その際は、主宰者がお返事を差し上げるなかで卵嚢の新旧をお答えし、新しい卵嚢の情報のみご提供いただきます。その点をご了承いただければ幸いです。ちなみに、上図の左がオオカマキリ、右がハラビロカマキリです。いずれも手に乗せた2個のうち、左に写ったものが新しい卵嚢で、右に写ったものが古い卵嚢です。これらは比較的判り易い例ですが、野外には新旧の判別が難しい卵嚢も見られます。判別が難しいと感じた場合は、ご遠慮なくそのままツイートあるいはメールして下さって結構です。

2. 新しい卵嚢の判別

主宰者が折を見て「#カマキリ分布調査」のタグからツイートを辿り、皆さんのカマキリ情報を収集します。こちらからDMをお送りしてカマキリ確認地点の詳細な情報をお尋ねしますので、DMの返信でplus codeかGPS情報をご教示下さい。その際に調査者の皆さんのお名前もお尋ねしますが、回答は任意です。お名前をお尋ねする理由は、本調査の結果を将来いずれかの媒体で報告する場合に、協力者として謝辞にお名前を記載させていただくためです。特にこれを望まれない場合は、匿名でも結構です。

ある程度の記録が蓄積した時点で、主宰者が各都道府県の各市におけるカマキリ確認情報を地図上にプロットして分布図として公開し、順次更新します。地図上で公開する地点情報は「○○県○○市」までとします。主宰者による分布図の更新を待つ間に、皆さんも「#カマキリ分布調査」のタグからツイートを辿ってみて、各地域でどんなカマキリが確認されているか、あるいは未だ確認されていないかを追跡してお楽しみ下さい。

主宰者が皆さんから詳細な地点情報を収集する理由は、カマキリの生息を記録した地点情報とその地理や環境の関連を解析することで、各種カマキリの分布域を決める要因を推察できることを期待しているためです。一方で、日本に分布するカマキリのなかには、生息地が局所的で乱獲されるべきでない種や、外来性が疑われるために慎重に取り扱うことが望ましい種が含まれます。詳細な地点情報を公開してしまうことは、心無い採集者の来訪と乱獲や、これらの種がオークションサイトなどで安易に取り扱われる事例に繋がりかねません。また、本調査にご協力いただく皆さんの多くが「自分が大切にしている調査地」で調査するという前提で考えれば、その詳細な地点情報が公開されることを望まないであろうと想像しています。これらの理由により我々は、収集した詳細な地点情報を公開しないことにしています。

その後の流れ

3. 撮影と情報発信

見つけた卵嚢を撮影し、ツイッターかメールを介して情報をご提供下さい。手順はこれまでのカマキリ分布調査と同様です。こちらに進んで下さい。

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